考えよう衣・食・住
■病気は自分で治している
 
 自分で病気を治す一番いい方法は、体温を高めることです。
例えば0−157が問題になったことがありましたが、0−157は72〜73℃の温度が2、3分続けば死んでしまいます。大方の病原菌は高温に強くて低温に弱いのですが、0−157は冷蔵庫の中でも生きています。ですから0−157が体の中に入ると、病原菌を殺そうと一生懸命体温を上げていきます。上がれば上がるほど病原菌が死んでいきますから、治りが早くなるわけです。
 せっかく病気を治そうと体温を上げているのに。解熱剤などを使って熱を下げると、お腹の中で苦しんでいた0-157は喜びます。
 次に、お腹の中でばい菌が増えてきたら、それを早く出さなければなりません。早く出すためには、便をゆるくして回数を増やせばいいわけですから、下痢の回数が増えれば増えるほど、治りは早いのです。下から出し切れなければ吐けばよいのです。これを下痢止めを使って止めてしまうと、お腹の中に0−157がいっぱい増えてしまい、その病原性のもととなるベロ毒素によって命を落としてしまうのです。
 また、体温を上げることによって体から汗も出てきます。汗の出方が強ければ強いほど、体の老廃物が早く出て行きますから、早く治ります。汗をかけない子供、低体温の子供が今、非常に問題になっています。


■薬に頼り過ぎない
 
 西洋医学には昔5つの流れがありました。

1番目はホメオパシー(同種療法)
病気の原因となる物を限りなく水と誓い状態まで希釈し、それに対して免疫力を高めていく方法です。

2番目はナチュロパシー(自然療法)
アロマテラピーやハーブ療法なども入ります。

3番目はサイコセラピー(心理療法)
病気と心とは非常に密接な関係を持っていますから、心理的な要因を取り払って病気を治していきます。

4番目はオステオパシー
現在の整体とは少し違うのですが、骨格を整えたりするやり方です。

5番目はアロパシー
薬を使って治すやり方です。

昔の西洋医学はこのように5つの流れがありましたが、一番最後のアロパシーだけが明治維新、日本に伝わってきました。現在日本では1〜4番目は医療行為とは認められず「代替療法」と呼ばれています。

1番から4番目も本来立派な治療法なのですが、なぜアロパシーだけが医療であるような状況になってしまったのでしょ。答えは簡単です。1番から4番目の治療法は経済的な利潤が少ないからです。

アロパシーは日本に入ってきた当初「逆症療法」と呼ばれていました。病気を治すために発熱したり、下痢をしているのに、薬で止めてしまうのですから、まさに「逆症療法」です。

それがいつのまにか「対症療法」と言葉が変わってい、薬は氾濫していきました。

■経済優先の日本の薬
 
 日本の薬事審議会で認められた薬をアメリカのFDA(食品薬品局)で調べ直した報告があります。日本で通過した薬の70%は効かない、または副作用がある薬とされました。
 なぜ、こんなことが起きてしまうのでしょう?薬品メーカーと薬事審議会の癒着です。

■人間はヒトという動物であることを忘れてはいけません。
 
 私たちは霊長類で哺乳類という動物です。一番近い仲間がサルですね。
ですからサルはどのような生活をしているのか考えることは大切です。
 まず、動物としての生活を整える必要があります。
知識の前にヒトとしての知恵を身につけなければなりません。

■住んでいる所の食べものを食べましょう
 
 パンダは笹の葉を食べ、コアラはユーカリの葉を食べます。
動物はすべて先祖代々とりつづけた食べものをとっています。人間だけが違うのです。サルの仲間は温帯から亜熱帯、熱帯にかけて生息している動物です。ですからヒトは温帯、熱帯に住む動物だということです。
 サルは青森県の下北半島までしか住めません。北海道にはいないのです。サルがいない所にはヒトは住めないのです。(住んではいけないということではありません)
韓国、フランス、カナダ、ノルウェーにもいません。このようなサルが住めない場所の食べものと、本来私たちの食べものとは、しっかり分けて考えた方なければいなけないのです。
 では、なぜサルが住めない所ににヒトが住めるようになったのか、それは火を使うことを覚えたからです。
 火を使うということは自然に反しています。火を使えばダイオキシンが出ます。火を使うようになったり住居に入ることで、ヨーロッパなどにも住めるようになりました。サルが住めないところでは、ヒトが本来とり続けてきた食べものはありません。
 水が少なく気候が寒い所に住む彼らは、パンやパスタを食べたり、牛乳を飲んだり、肉をたくさん食べなければならない環境下に置かれたのです。
 これらは本来、ヒトに会わない食べものですから、調味料で工夫します。だからフランス料理には600種類を超えるソースがあるのです。
 日本の場合は塩、味噌、醤油、酢だけでいいのです。極端な場合そういう調味料さえいりません。この差をもう一度よく考えたいものです。

■サルに学ぶ栄養バランス

 同じ霊長類の仲間、サルがどんなものを食べ続けているのかはとても参考になります。
霊長類にも進化の過程に伴い原始的な霊長類を原猿類といいその上にサル、その上に類人猿、その上に人がいます。
 原猿類は植物性のものと動物性のものを半々に口にします。サルは動物性の割合が明らかに減っていきます。類人猿ではチンパンジーだけが少しだけ動物性のものを口にします。ゴリラは植物性のものだけであれだけの体を作り上げています。

■歯と爪でわかる食品バランス

 植物性の食べものを食べている動物は動かない植物をそのまま摘み取ればいいので爪は必要ありません。爪は平爪になっています。
 動物性の食べものは、相手が動いていますから、平爪では捕まえられません。そのために鉤爪になっているのです。
 では、ヒトの爪はどうでしょう?
 動物性と植物性の食べものの割合ははを見ればわかります。
歯は全体で32本あります。わかりやすくするために左上の8本(4分の1)で見てみます。

 生まれて最初にはえてくる歯は切り歯、ウサギなどと同じ植物を食いちぎるための歯で2本あります。ということは8分の2で4分の1です。その隣が犬歯で1本。ライオンなどと同じ肉を食べるための歯です。これが1本ですから8分の1です。その隣は臼歯、馬や牛と同じ穀類をすりつぶすための歯です。小臼歯と大臼歯で5本、8分の5です。
 体の構造がこのようになっているのですから、これに従って食べることが理想です。
つまり、8分の5のご飯、8分の2の野菜や海草、8分の1の肉類がバランスの取れた食事です。
 玄米菜食など一切動物性のものを食べないとする考え方もありますが、このように犬歯があるということを考えると、8分の1ぐらいの動物性食品は食べてもいいのではないでしょうか。ただし、牛乳、乳製品、鳥、魚、海老、タコ、カニなどすべてを含んで8分の1です。
 ここで注意したいことがあります。乳歯と永久歯では大臼歯の数が違うので、割合が違います。大臼歯がない子供は犬歯が20本のうち4本で5分の1です。ですから動物性食品を少し多めにします、その場合魚介類などがいいでしょう。
 
■ご飯を見直す

 ヨーロッパでは米は取れません。そこで小麦になるのですが、ヨーロッパの小麦は水分量が少なく、パサパサです、ですからパンやパスタに合うのですが、日本の米や麦には水分が多く含まれます。このためヨーロッパでは牛乳など飲み物で水分を足さないと、パンやパスタが喉に詰まってしまします。しかしご飯や日本の小麦から作られたうどんなどはヨーロッパの小麦と比べ倍以上水分を含むので、食事中に水分は入りません。
 また、パンやパスタの喉ごしをよくするために、油を使います。パンを食べる時にはバターなどをつけます。パスを作る時には植物油を使います。油を加えれば喉を通っていくのです。ご飯にバターをつけて食べますか?うどんに植物油を入れますか?日本では食事中に水分や油はいらないのです。ご飯を食べた後にお茶を飲めばいいのです。
 
 日本の小麦は水分を多く含み大変いい食べものなのですが、アメリカの政策で日本で小麦を作らせないようにしてしました。国産の小麦をパンやパスタにするのではなく、うどんやそうめんなどにしてたくさん食べましょう。
 とうもろこしもよいのですが、夏だけに限ります。寒い時に日本ではとうもろこしは取れないので、寒い時にも食べていると本来の食律(食の自然の法則)に反するので、体調を崩します。

■ねじ曲げられた日本の文化

 昭和16年12月8日、日本は真珠湾を攻撃しますが、これはそもそもアメリカが日本を切羽詰った状態に追い込んだために起こったことです。アメリカは、戦争はすぐに終わるだろうと考えていました。ところが日本は3年8ヶ月もがんばりました。これで「日本人とは容易ならざる民族だ」とアメリカ政府は脅威を感じ、2度と戦争を起こさせないようにするに腐心します。
 日本は戦争で負けた焼け野原から2、3年で立ち直ります、それでもアメリカは昭和27年まで占領下に置きます。それはなぜかというと「日本の優れた民族性を劣化させるにはどうしたらいいのかと」考えていたのです。
 あれだけ戦える民族性の元には優秀な日本文化(食文化、衣文化、住文化)があったのです。それぞれの民族には、それぞれにあった文化を持っています。これを変えればいいとアメリカは考えました。
 そこで、占領していた7年間で徹底的に日本文化の欧米化に努めました。
アメリカには小麦と牛乳がふんだんに余っていました。「ご飯を食べると頭が悪くなる」「米は美容によくない」などと、大学教師などに言わせて、ご飯からパンに、うどんからパスタに「大きいことはいいことだ」とお茶から牛乳に変えさせていったのです。

■それでも牛乳飲みますか?

 昭和22年まではほとんどが自宅分娩で母乳哺育でした。しかし、自宅分娩と母乳哺育が続く限り、牛乳はいつまでたっても普及しません。そこで、アメリカは牛乳を普及させるために、医者と看護婦にお産をさせる仕組み三婦法という法律を作りました。三婦とは、看護婦、助産婦、保健婦です。保険法を改悪したのです。
 この三婦にお産をさせ、医者が統括するという形にしました。三婦法ができる前は医者と産婆さんは同格の存在でした。産婆さんは医者を助けるということで助産婦に格下げされたのです。
 学校給食に牛乳が取り入れられる前、骨粗鬆症という病気は医者しか知らない病気でした。世界中で一番牛乳を飲んでいるのは北欧人です。ノルウェーの骨折率は日本の5倍です。

■牛乳はそれほどカルシウムや鉄分は多くない



続く・・・


 
参考文献:真弓定夫著 自然にかえる子育て